2010年10月23日(土)

朝早くから家族で出掛けた。行き先は茨城・国営ひたち海浜公園。コキア(ほうき草)の紅葉が見頃だというので行ってみる事に。大田原市湯津上から那珂川町などを抜けてひたちなか市へ。

常陸大宮市を抜ける途中で物産センターみわ・ふるさと館「北斗星」という、道の駅を兼ねている所へ立ち寄った。その名の通り近隣の作物の直売などを大いに行っている。来たのは十時ちょいごろだったか、かなりの人出と賑わいだった。道の駅みわ 近場で採れたきのこたち今はきのこの季節であり、軒先には採れたてのきのこが並んでいた。真っ赤な色合いで目を引くタマゴタケやぶっといマツタケなども並んでいる。クリタケだったかなんだかが一房、と言っても軽く一キロ以上ありそうな大房なのだが、3600円で売っていた。母が帰り道にまた立ち寄って無花果を買っていこうと言い、暫しの休憩ののち車に乗った。

揺られる事一時間ほど、東海村に差し掛かったところで緩やかな渋滞に捕まった。今日は実に良く晴れた行楽日和で、多分その為の渋滞なのだろう。原子力センターだかなんだかの敷地の柵が二重の鉄条網で囲われていた。

十時半ごろ到着。ひたち海浜公園の西口から入ると、渋滞対策のためか駐車料金の後払い用紙が配られていた。入園料は大人ひとり400円、小人80円。公園に入ってコキアの植えられている「みはらしの丘」へ向かいながら、人出に押し出されるように脇道の林へ。中の軽食屋でとりあえずコーヒーを飲む。傍らでわい性のちっちゃなシクラメンが咲き、クリスマスローズが青々と茂っていた。茨城県の特産品、お芋を使ったタルトが美味しい。

一息入れてまた歩くとみはらしの丘へすぐたどり着いた。が、コキアの紅葉目当ての人連れが多すぎて人間も渋滞している。人混みをかき分けて目の前に開けたのがもこもこしたコキアの埋め尽くす丘陵地だった。コキアの丘上記のWebサイトでは21日付けで紅葉が真っ盛りとの事だったが、本当に真っ赤っかだ。すれ違う人がみな携帯やカメラを持ち、草を撫でてまりもみたいと呟いている。僕自身は海ぶどうみたいとか呟きながらカメラとコキアの海へ飛び込んでいった。

みはらしの丘の頂上にはこれまた「みはらしの鐘」というのが突っ立っていて、訪れる人が皆それを揺するので始終がんがん音が響いていた。周りは三脚とバズーカみたいなどでかい一眼レフカメラを持った人ばかり、僕はポートレート向けの小振りな18ー55mmズームとぺったんこな15mm広角レンズを首にぶら下げているのみ。なんだか所在なげな気分になり、意識して気持ちを紅葉に向けた。多少のばらつきはあったが一面が赤紫に染まっていて、実に見事な風景だ。昨日の関東地方の天気予報では直近の明日23日が最も良く晴れるでしょう的な事を言っていて、これは日曜日よりも土曜日の方が混むなあと思っていたのだが、その通りだった。丘の向う側からはひたちなかの海が見下ろせた。左手にコンビナート、右手に岬、手前に防波堤、その先に水平線。コキアの赤とコスモスのグラデーション、セイタカアワダチソウの黄色が帯を作っていた。水平線へ。人混みの間を縫って海をぱちり。

海の見える丘を去るのは惜しかったが、お腹も空いていたので出店のある広場へ降りて行く。ウナギの蒲焼きが煙で人をおびき寄せて、何十人という行列を作っていた。日差しは飽くまで強く、木陰に座ってみたらしだんごをもそもそ食べたのち、ぶらぶらと園内を散策。手際よくビニールシートを貼って談笑している家族連れなどは近場から来たのだろうか。ぷお~っと気の抜けたサイレンを鳴らしながら汽車という名のトラックが通り抜けて行く。そのうち高くて目立つ観覧車が目に入ったので、それを目指してみる。

海抜百メートルという観覧車は「プリンセスフラワー」とか言うのだそうだ。乗車券もお高い。まあそれは良いとして母と乗ってみた。車内のスピーカーから流れる海猫と潮騒の音がわざとらしいが、気分も乗ってしまえば中々良い感じだ。「大」観覧車と言うだけあって上からの展望も良い。何より海と水平線がぐるりとみえるのだ。さっきのコキアの丘よりも目の位置が高い。内心はしゃいでいるうちに12分間の遊覧は終わった。

お土産屋で母の好物であるうまい棒納豆味を買い、常陸那珂有料道路を跨ぎてくてくと外周を巡っていく。西口ゲートの手前に公園事務所、兼屋上エコガーデンと言うのがあった。僕は個人的に常々屋上というものに興味を持っているので、迷うことなくその屋上庭へ向かった。が、見てみると、公園事務所の上にあるのに植木の水やりすらテキトーな感がする。枯れているものもあった。屋上を出しに使ってゆるせん。

それでもまあ案内板のマルチングとか軽量土壌とか色々の緑化のための用語を眺めて西口ゲートへ向かった。即席の虹と、脇を通っていった子供たちが正面の噴水を指さしてなにやら騒いでいる。よく見てみると、噴水の霧が立ちこめたところに日が差して虹が出来ているのだった。写真では見づらいがきちんと七色映っているのだ。少し感心してしまった。

道の駅みわの食事渋滞を避けるため午後の日が高いうちに撤退したが、再び道の駅みわへ着く頃には(山間部なので)日は落ちぼんやり薄暗くなっていた。無花果はまだ売れ残ってあったのでそれやらラッキョウの根やらを買い込む。ピーマンが大袋で一つ100円。遅いおやつ代わりに、子持鮎の塩焼きと柚味噌こんにゃくを買って食した。季節ものの子持鮎が特に美味しくてしっぽから頭まで丸ごと食べてしまった。

本日は海辺の紅葉を眺め虹を見、夕餉に鮎を食らったわけで、まさに満ち足りた気分で「imaginary inquiry : bayaka – Amanece – 2003 ode music production remix」を聞きながら夕暮れの帰途についたのだった。

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