イナカの灯台 – 月が欠けていく

気がつくと、虫の声の種類がお盆のころとは違っているように聞こえる。ウマオイなんかの賑やかさはなりを潜めたような。もうじきアオマツムシの声があたりを満たす季節。

夏の果物もシーズンオフが近いと思い、果物市場でメロンや桃を見繕う。母と庭に出てクレマチスなど植え付けるうちに日没。そのあと激しい雷光を伴ったにわか雨が通り抜けていった。

庭に出て少し作業。くちなしの枝を水に挿して発根させたのを、適当な小鉢へ赤玉土と園芸土を混ぜて移植した。来春に地植え可能な大きさに育つまで手元で面倒を見る。クレマチス3鉢、「レクタ・パメラ」「ヘンダーソニー」「入笠山の草ボタン」を地植えにするつもりで穴を掘っていたのだけれど、昼下がりは作業が辛くなるくらい蒸し暑く、軽い頭痛を感じたこともあり、今回は穴だけつくって引き上げた。園芸土を出しっぱなしにしたまま昼寝をしていたら、そのあと通り雨があった様子。道の駅で見繕った特売のぶどうがおいしい。茉莉花のにゅっと伸びた枝を切って挿し穂をつくり、メネデールを加えた水に挿した。小鉢へ移せたら、いずれ貰い手でもいるだろうか。

きのうの草刈りの疲労はいまになってにじみ出てきた。昨晩は逆になんとなく眠れず、加齢で体力が減っていることを実感。少し前に書き付けた、なにかを書き出すためのノートの件。マルマンのクロッキー用紙とミドリのMD用紙を適宜A4のルーズリーフとして使い、無印良品のシンプルなバインダーへ綴じ込んで管理、という感じで使うことにした。パンチャーを手に入れたから紙はほかにもいろいろなものが使える。クリーム色の紙は目に低刺激なためお気に入りのもので、コピー用紙も同じく気軽に活用するつもり。こうして紙に贅沢することで書き出すモチベーションを上げような。

敷地横の山道に生い茂った篠や雑草を刈る作業を、刈り払い機を使って一日じゅうやっていた。自分で言うのもご苦労なことにきょうは暑く日差しも強かった。ペットボトル飲料をあわせて2L以上飲んだけれど、撤収するまでトイレには行くことがなかったな……。篠は地面から突き出た部分を刈り残してしまうと、枯れて腐食しなくなったままいつまでも残り、けがの元になるうえ歩きづらい。段階的に藪を崩しながら、刈り払い機の刃を丹念に土の下へ潜らせて突起を取り除いた。刈り取った篠や草を熊手でかき集めるのも大変だったけれど、そうして掃き清められた山道はすっかり見違えて、気持ちのよい場所になった。ただ、そこを通る物好きなんかいないんだけれどね。途中でなくなったガソリンを買いにいったり、身体の汗と熱を取るため小まめに休んだりもしながら、日が暮れる前に作業は完了。漫然と鍛えているつもりの腹筋がよい働きをした日だった。

支援センターで面談。話したいこと/訊ねたいことを事前に箇条書きにして聞いてもらっていたら、一時間半経っていた。もっと長く話される方もいますよということだったけれど、次からはもう少し内容を絞る。怒りのコントロールがむつかしいという話をしたら「怒ることもあるんですね、逆に安心しました」とおっしゃっていた。怒りを抑える必要はないかもしれず、それは余裕のなさや身体のサインなのでは、そちらを主体に対策していくことで怒りの沸点も高くできるのでは、ということだった。次回はまた一ヶ月後に予約を入れてもらって帰着。いま使っているAQUOS sense4というスマホの画面に、ちらつく縦線や液晶のにじみのほか、四辺を囲むような紫と白のかすれが映るようになった。端末補償サービスを利用してすでに二回交換しているけれど、自分の使い方だとこの機種の防水性能ではダメみたいだ。折よく知ったPixel 5a(5G)という機種を分割でポチった。

雨降り。考えたことを書き出すために、無地かつクリーム色でA4くらいのノートが欲しいのだよね。使ったことのある紙だと、マルマンのクロッキー帳/ツバメノート/ミドリノートがとりあえずの候補。ダイソーで見かけた紺の表紙にクリーム地なノートも、気楽に使えそうな点で気になる。ふと思いついて「コピー用紙　クリーム色」で検索してみたらいろいろあった。これだと一枚1円ほど。あした面談があるから早めに眠る。

墓参りのついでに産直で買い物をして、レジのおばちゃんから「いつもありがとうございます」と言われた。いやまあそれだけなんだけれど。そこで見つけた青唐辛子の漬物がおいしかった。祖父たちの墓にいとこたちが来た形跡はなかった。そうするべきルールなどないし、こちらが望んだように現実があるべきだと考えるのもおかしな話だと思う一方、義母が僕の祖父母から受けた仕打ちをこうして残った者たちへ向けて仕返ししていることは、ほか様々な振る舞いからも露骨に感じる。怒りで応じると不毛だから、ひとまず憐憫へ置換できるようになろうな。この疫病禍で自分がどんどん狭量になっていることも実感してる。社会そのものの状況がめざましく好転することは考えづらい以上、そこからのストレスを緩和するためには、自分の認知へ手を入れることがいちばん手っ取り早い対策なんだろう。『いやな気分よ、さようなら コンパクト版』の認知のゆがみリストをおさらいするだけでも気分は変えられそうに思う。ここ数日はちょっとしたスクワットを行えているから、鼻の通りと日常の所作をよくするつもりで、惰性のように続けられたら。

冷えた一日。日中も気温は20度ほどで、エアコンの暖房を付けようかと思うくらいに手足の先が冷たかった。

引き続き雨降りな日。なにごともなく過ごす。